ぐっすりと眠りたい

誰でも、グッスリと眠ってスッキリと目覚めたいと思っているはずです。

布団に入ってから寝つくまでの時間が10分以内で、寝つきが悪いと困ったことがなく、一度眠ったら朝まで目覚めない人を、安眠型=グッド・スリーパー と呼ばれています。

このタイプの人は、熟睡感があって幸せな人たちです。日本での調査によると、高校生の8~15%、大学生の25~52%、社会人の25~30%が該当するそうです。

逆に、寝つくまでにいつも30分以上かかり、寝つきが悪いことと自覚している人で、毎晩1回以上目覚めるタイプを、不眠型=プア・スリーパー と呼ばれています。

このタイプの人は、熟睡感がないので、睡眠に不満を持っています。日本では、高校生の4~8%、大学生の2~13%、社会人の7~10%に見られるそうです。

不眠型の人が、不眠症になりやすいかどうかは分かりませんが、学生の試験期間や社会人の繁忙期に、不眠型が増えることは確かなようです。

睡眠の深さやパターンを検査すると、安眠型と不眠型で、大きな違いは見られないとのこと。

不眠型 では寝つきが悪いのは確かですが、本人が思うほどではないのです。自分では寝つくまでに平均60分かかっていると思っていますが、睡眠ポリグラフ検査を行うと、わずか15分前後で眠り始めていることが分かりました。

つまり、不眠型は、自分の睡眠状態を勘違いしているのです。

夜中の覚醒についても、同じことが言えます。普通の人でも、記憶に残らないだけで、1分以内の目覚めが一晩に十数回あるものです。不眠型だからといって、特に回数が多いとか、時間が長いということはなかったようです。

このように不眠型の人は、睡眠状態に対して過敏な心理状態になっています。睡眠に不満を持つことが、さらに熟睡しにくくしていることを、本人は気がついていません。

安眠型の人は、起きているときに活発に働いている交感神経は、眠るとすぐに活動が低下します。ところが不眠型では、この交換神経活動がなかなか鎮まりません。

この面でも不眠型は、いつもフラストレーションが溜まっていて、緊張・不安状態が続いているのです。

ではどうすれば熟睡できるのでしょう。

まずは、正しくない思い込みを、振り払うことです。
不眠型の不幸なことは、「寝つきが悪く夜中によく目が覚める」と、思い込んでいることにあります。

まずは、この間違った考えを捨てましょう。成功哲学でも、「思考は現実化する」と言われています。思いが変わらないときには、一度、睡眠障害の専門クリニックで睡眠ポリグラフ検査を受けてみてはいかがでしょうか? 自身の実際のデータを見ると、納得しやすくなります。

さらに安眠型に近づくためには、

1.いつもの起床時刻より、15~30分ほど早く起きる
2.昼寝はしない
3.軽い睡眠不足の状態で、いつもの時刻に床に就く

このような生活を続けることで、寝つきが良くなり、眠りも深くなって夜中に目覚めにくくなります。するといつの間にか、朝目覚めたときに、熟睡感が増してきますよ。

生活習慣の改善には、時間がかかります。起床時刻を大きく早めたり、成果を急ぎすぎると、失敗しますから、少しずつ理想の睡眠生活に近づけるように、1ヶ月ほどかけて行ってみましょう。