メタボリック・シンドローム 肥満の原因

肥満の原因として、

食生活習慣
WHO(世界保健機構)の2003年報告書によりますと、肥満を増加させる要因には、
・高カロリー食品
・飽和脂肪酸(動物性脂肪などに多い、)、
・ファーストフード(アメリカ資本のチェーンが作り出した、安く手軽に食べられる高カロリー食品)、
・砂糖が添加されたジュース
が挙げられています。

近年は種類も多く、コンビニエンス・ストアで手に入るペットボトルの清涼飲料水を、時間を問わず飲む傾向が強く、糖分の過剰摂取が指摘されています。また、缶コーヒー等も同様です。

他に肥満になる親と同じ食生活の子は、親と同じく肥満になる事が多いとされています。これは、食事でよく噛まずに飲み込んだり(満腹中枢が刺激される前に次の食物が喉を通過)するために、過食となるようです。

遺伝性の説
過食よりも遺伝子が重要な役割を果たしていてるという認識のもと、その道の研究者の間では前提となりつつあるそうです。
体は一定の体重を保とうとする機能があり、そして、その人にとっての標準な体重は遺伝子によって決定づけられている。
したがって、その人が太っていてもそれは、本人にとっては正常な状態であるということだそうです。

他には睡眠時間が肥満に大きく影響しているという研究者もいるみたいですし、肥満は伝染病であるという研究が発表されています。
これは、2007年7月に 、フラミンガム心臓研究で、社会環境が関与していて、肥満は社会的絆を介した伝染病であることが示されました。この研究によると、隣人には伝染はしないが、友人、兄弟、夫婦の関係を通して伝染し、異性よりも同性に伝染しやすいことが明らかとなった。とされています。

雰囲気でつられて食べてしまう、付き合いで食べてしまう。といったところでしょうか?

メタボリック・シンドローム 肥満について

一般的に身長による標準体重より概ね20%以上を肥満と呼ばれています。
体重による肥満の判断として一般的にBMI(Body Mass Index:ボディマス指数)が用いられ、
BMI=体重(㎏)/身長(m)の2乗 で表し、
・18.5未満なら低体重
・18.5以上25未満なら正常
・25以上30未満なら肥満(1度) ・・これ以上を肥満と位置づけ
・30以上35未満なら肥満(2度)
・35以上40未満なら肥満(3度)
・40以上なら肥満(4度)
であり、
日本肥満学会では、BMI=22を標準体重としています。

ただし、BMIは身長と体重から単純計算した値となるため、たとえ25以上でも、はたして脂肪によるものなのか、筋肉質によるものなのか判断に迷いが生じるため、体脂肪率から見ることにより判断材料とすることができます。

体脂肪率の標準は、男性で15~19%、女性で20~25%で、これを上回ると肥満と判断されます。これにより、脂肪体質か筋肉質かがわかります。しかし、その測定方法は様々であり、市販されている体脂肪率を測定できる体重計がありますが、誤差もあるようですので一応の参考として使用するのがいいようですし、使用するのであれば目安として毎日同じ時間に測定(例:起床直後の空腹時等)すれば、ご自身の体脂肪率の増減を比較することは十分可能であると思われます。正確な体脂肪率を測定するのであれば、CT・MRI等で体脂肪面積を測定し(かなり難しそう)、そこから体脂肪率を推測する方法が正確と言われています。

メタボリック・シンドロームの予防(健康診断)

メタボリック・シンドロームは「苦しい、辛い、痛い」と言ったような具体的症状は出ません。

前にもご紹介した下記のとおり、
判断基準は、上半身が肥満(リンゴ型肥満)の場合は動脈硬化症になる可能性が高いとされているため、
・ウエスト(おへその高さで測定)が男性で85㎝以上、女性で90㎝以上が前提とされ、
・血液検査で中性脂肪150mg/dl以上かつ、またはHDL(善玉コレステロール)40mg/dl未満
・収縮期血圧(上)130mmHg以上かつ、または拡張期血圧(下)85mmHg以上:(130/85)
・空腹時血糖値110mg/dl以上

これらのことから、肥満、高脂血症、高血圧、高血糖などの複数の病気から成るため、特定の薬を処方され治療するのではなく、これらから動脈硬化を予防し、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な合併症を予防することを目的としていますから、まずは生活習慣の改善を目指すことが大切です。

したがって、睡眠(質の良い)が取れているか?。適度で定期的な運動や食生活が成されているか?。喫煙をしていないか?などを見直し、改善する。といったような普段からの生活の積み重ねを重視した治療(生活改善)を主眼としたものとなります。

メタボリック・シンドロームは主に健康診断等で判断されます。健康診断は普段通りの生活を送っている上での検査となりますが、正確な検査結果を得るためには前日の生活行動が大きく影響します。
たとえば血糖値は「前夜から10時間以上絶食し、朝食を摂る前に測定した血糖値」と定義されていますので、検査時間に合わせた前夜からの絶食が必要となってきます。なお、血糖値は睡眠にも影響するとされていますので、絶食時間に関わらず極端な睡眠不足での健康診断も控えたほうがよさそうです。

メタボリックシンドロームについて

近年すっかり定着した言葉ですが、メタボリック・シンドローム(代謝症候群):通称メタボとは、内蔵脂肪型肥満に高血圧、高脂血症、高血圧が合併した状態をいい、以前は死の四重奏(高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満)、シンドローム・エックス(生活習慣病の3大要素:高血圧・高脂血症・糖尿病、がインシュリン抵抗性を基礎に集積して、心血管障害を引き起こすという学説)、などと呼ばれていました。

メタボリック・シンドロームの柱となる肥満・高血圧・高脂血症・糖尿病の存在が、以前から動脈硬化に関わっていると知られていたのですが、なぜ今頃になってメタボリックシンドロームという言葉が使われるようになったかというと、現在、生活習慣病の増加に深く関わっているのです。

医学の進歩、医療チームのレベルアップなどにより、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、脳血管障害(脳梗塞等)などによる死亡率は低下しましたが、病気になる人が減っているわけではなく、さらに予備軍を含めると2,000万人とも言われています。

高血圧や高血糖はそれぞれの形態でも充分リスクが高くなりますが、これらが重なることによってさらに動脈硬化になる可能性が高くなるとされ、日本人の生活も欧米の影響でにより、生活習慣が変わってきました。

そこで、メタボリック・シンドローム該当者とその予備軍に対し、メタボリック・シンドロームの概念を応用し、動脈硬化症を予防する。そして、平成24年度末までに10%減、平成27年度末までに25%減とする数値目標を掲げ、それに伴い医療費の削減を目的とし、特定保健指導を行うことを義務化したのです。
このことにより、現在社会問題化されている医師不足も解消するのではないでしょうか。

ちなみにメタボリック・シンドロームの判断基準は、上半身が肥満(リンゴ型肥満)の場合は動脈硬化症になる可能性が高いとされているため、
・ウエスト(おへその高さで測定)が男性で85㎝以上、女性で90㎝以上が前提とされ、
・血液検査で中性脂肪150mg/dl以上かつ、またはHDL(善玉コレステロール)40mg/dl未満
・収縮期血圧(上)130mmHg以上かつ、または拡張期血圧(下)85mmHg以上:(130/85)
・空腹時血糖値110mg/dl以上

とされています。現在、健康診断では必ずお腹周りを測定されます。(お茶のCMでもありましたね)

ダイエットとセルライトについて

セルライトという言葉をよく耳にしますが、医学的に定義された言葉ではありません。
フランスで生まれた言葉と言われており、1970年代前半にアメリカのエステサロンの経営者がセルライトに関する本を出版しベストセラーになったことからよく使われるようになったそうです。

日本でも1990年代半ばに新聞で紹介されたのがきっかけで2000年に入って頻繁に美容、健康食品、ダイエットなどの業界で使われるようになりました。

その正体ですが様々な説があり明確に定義されていません。有力なのは、脂肪は脂肪細胞を蓄える袋が集まったもので、脂肪細胞とは名の通りエネルギー源である脂肪を袋の中に蓄える役割があります。
運動などで体を動かすと、まず糖分が利用され血糖値(血管の中の糖分)が下がります。そうすると次に血管を通じ脂肪細胞に信号が送られ脂肪細胞に蓄えられた脂肪が血中に送られエネルギー源となります。逆に利用されなかった糖分は脂肪となり、脂肪細胞に蓄えられる仕組みです。

ところが、あまりに脂肪細胞に脂肪が蓄えられてしまうと皮下脂肪は皮膚という丈夫な組織に包まれているので、脂肪細胞は自身の機能を維持する上で必要不可欠なはずの周りの血管やリンパ管を、逆に自分で圧迫してしまうのです。
すると、様々な命令がうまく伝わらなくなったり、脂肪の排出、吸収のバランスがくずれて、脂肪細胞から脂肪がうまく排出されにくくなったりします。さらに、血液やリンパ液の流れが悪くなったりして、脂肪細胞自体がむくんでしまうという悪循環となります。

血管やリンパ管はしっかりとした組織なので、そんなに簡単にはふくらみませんが、脂肪細胞はたまりすぎた脂肪やむくみで、風船のようにふくらみます。下腹部、臀部(お尻)、大腿部で多くみられ、見た目に皮膚の凸凹が確認できるものや、触れて確認できるものがあります。これが「セルライト」というわけです。

しかし、欧米人と比較し日本人がセルライトでの悩みはそれほど多くないようです。
また、皮下脂肪の多い女性によく見られ、異常、病気とはみなされていません。

むくみを解消しスレンダー体型に

むくみの原因をふり返ってみます。
1 長い間おなじ姿勢をとり続ける(仕事で長時間椅子に座っていたりなど、下半身の血液循環が悪くな   り低いところに水がたまる)
2 塩分の摂りすぎ( 細胞の外に水分が出てしまい細胞の中に戻ってこれない状態)
   (スナック菓子やインスタント食品をよく食べる)
3 カリウム、カルシウム、マグネシウム不足(体内の水分調整、尿の排泄に影響)
4 女性ホルモン(月経で水分をためるホルモンが影響)
5 リンパ菅内のリンパ液の流れが悪くなる(リンパ液は流れがゆっくり)

解消法
・膝(ひざ)の曲げ伸ばし、つま立ち、軽い散歩するなどこまめに体を動かす。
これは解消法でもあり、予防でもあります。運動はむくみに限らず生活を円滑に営むためには基本中の基本です。激しい運動は必要ありません。基礎代謝を上げる、若しくは維持することにより細胞を活性化させ生命の恒常性を維持することができます。

・マッサージでほぐす。
むくんでしまったら、マッサージをしてあげましょう。体調も悪くなく、下半身のむくみがある場合は、リンパ液の流れが悪い可能性があります。 末梢(心臓から遠い手足の先の方)から心臓に向かって一方向にマッサージをするのがよいでしょう。リンパ管は血管の静脈と同じで逆流を防ぐ弁が付いています。圧がかかることにより弁が開きリンパ液がながれやすくなります。逆に心臓に近いほうから遠い方に向ってマッサージをすると、弁が閉じてますますむくみますので要注意です。マッサージ方法のイメージとして、下半身の場合、とくに膝から下を両手で包み込むように「モミモミ」しながら心臓の方へ進めるといった感じです。

・お風呂などで温める。
血流を良くし、細胞の働きをよくするためです。ただし、身体の深部から温めるためには、「ぬるめのお湯でゆっくりと」をおすすめします。

・むくんだところを心臓より高く上げる。あるいは心臓と同じ高さにする。
単純な考えですが、朝むくみが改善されているのは寝る(横になる)ことによって重力が平均化されるためです。

・アルコール摂取を控える。
これも単純なことですが、むくんでいるのに血管の中は脱水状態です。お付き合いなどで飲まなくてはいけない時は飲んでいるときも、こまめな水分補給をお勧めします。また次の日の水分補給も大切ですが、飲んだ寝る前の水分補給も大切です。お酒を飲んだ次の日の顔のむくみには水・ぬるま湯で交互に顔を洗うなど刺激を与え、血行をよくすれば早めに改善されます。

・ビタミン、ミネラルをしっかり取る(カリウム、カルシウム、マグネシウム など)。
その生理的働きは前にも書きましたが、むくみやすい人はこれらを摂取できていないのが案外多いです。むくみを解消するものとしてウリ科の食べ物(すいか、きゅうりなど)、カリウムを多く含む食べ物(バナナなど)、ビタミンB群を多く含む食べもの(豚肉、豆腐、あずき、かぼちゃなど)です。特にあずきは、利尿作用のあるサポニンが多く含まれ、以前からむくみに効果的と言われ、スイカはシトルリンというアミノ酸にむくみ解消作用があります。ご参考までに。

むくみを放置していると、ますますむくみやすい身体となってしまします。気をつけましょう。