ダイエットとセルライトについて

セルライトという言葉をよく耳にしますが、医学的に定義された言葉ではありません。
フランスで生まれた言葉と言われており、1970年代前半にアメリカのエステサロンの経営者がセルライトに関する本を出版しベストセラーになったことからよく使われるようになったそうです。

日本でも1990年代半ばに新聞で紹介されたのがきっかけで2000年に入って頻繁に美容、健康食品、ダイエットなどの業界で使われるようになりました。

その正体ですが様々な説があり明確に定義されていません。有力なのは、脂肪は脂肪細胞を蓄える袋が集まったもので、脂肪細胞とは名の通りエネルギー源である脂肪を袋の中に蓄える役割があります。
運動などで体を動かすと、まず糖分が利用され血糖値(血管の中の糖分)が下がります。そうすると次に血管を通じ脂肪細胞に信号が送られ脂肪細胞に蓄えられた脂肪が血中に送られエネルギー源となります。逆に利用されなかった糖分は脂肪となり、脂肪細胞に蓄えられる仕組みです。

ところが、あまりに脂肪細胞に脂肪が蓄えられてしまうと皮下脂肪は皮膚という丈夫な組織に包まれているので、脂肪細胞は自身の機能を維持する上で必要不可欠なはずの周りの血管やリンパ管を、逆に自分で圧迫してしまうのです。
すると、様々な命令がうまく伝わらなくなったり、脂肪の排出、吸収のバランスがくずれて、脂肪細胞から脂肪がうまく排出されにくくなったりします。さらに、血液やリンパ液の流れが悪くなったりして、脂肪細胞自体がむくんでしまうという悪循環となります。

血管やリンパ管はしっかりとした組織なので、そんなに簡単にはふくらみませんが、脂肪細胞はたまりすぎた脂肪やむくみで、風船のようにふくらみます。下腹部、臀部(お尻)、大腿部で多くみられ、見た目に皮膚の凸凹が確認できるものや、触れて確認できるものがあります。これが「セルライト」というわけです。

しかし、欧米人と比較し日本人がセルライトでの悩みはそれほど多くないようです。
また、皮下脂肪の多い女性によく見られ、異常、病気とはみなされていません。