メタボリックシンドロームについて

近年すっかり定着した言葉ですが、メタボリック・シンドローム(代謝症候群):通称メタボとは、内蔵脂肪型肥満に高血圧、高脂血症、高血圧が合併した状態をいい、以前は死の四重奏(高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満)、シンドローム・エックス(生活習慣病の3大要素:高血圧・高脂血症・糖尿病、がインシュリン抵抗性を基礎に集積して、心血管障害を引き起こすという学説)、などと呼ばれていました。

メタボリック・シンドロームの柱となる肥満・高血圧・高脂血症・糖尿病の存在が、以前から動脈硬化に関わっていると知られていたのですが、なぜ今頃になってメタボリックシンドロームという言葉が使われるようになったかというと、現在、生活習慣病の増加に深く関わっているのです。

医学の進歩、医療チームのレベルアップなどにより、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、脳血管障害(脳梗塞等)などによる死亡率は低下しましたが、病気になる人が減っているわけではなく、さらに予備軍を含めると2,000万人とも言われています。

高血圧や高血糖はそれぞれの形態でも充分リスクが高くなりますが、これらが重なることによってさらに動脈硬化になる可能性が高くなるとされ、日本人の生活も欧米の影響でにより、生活習慣が変わってきました。

そこで、メタボリック・シンドローム該当者とその予備軍に対し、メタボリック・シンドロームの概念を応用し、動脈硬化症を予防する。そして、平成24年度末までに10%減、平成27年度末までに25%減とする数値目標を掲げ、それに伴い医療費の削減を目的とし、特定保健指導を行うことを義務化したのです。
このことにより、現在社会問題化されている医師不足も解消するのではないでしょうか。

ちなみにメタボリック・シンドロームの判断基準は、上半身が肥満(リンゴ型肥満)の場合は動脈硬化症になる可能性が高いとされているため、
・ウエスト(おへその高さで測定)が男性で85㎝以上、女性で90㎝以上が前提とされ、
・血液検査で中性脂肪150mg/dl以上かつ、またはHDL(善玉コレステロール)40mg/dl未満
・収縮期血圧(上)130mmHg以上かつ、または拡張期血圧(下)85mmHg以上:(130/85)
・空腹時血糖値110mg/dl以上

とされています。現在、健康診断では必ずお腹周りを測定されます。(お茶のCMでもありましたね)