ダイエットと必須脂肪酸

ダイエットのとって必ずついてまわるキーワードの一つに「脂肪」があります。
何かと敬遠されるこの脂肪ですが、ヒトにとって生命を維持するためには必要不可欠なものです。
そして、必要不可欠な脂肪の中でもヒトの体内では産生できない脂肪を必須脂肪酸といい、必ず体外から摂取しなければなりません。

ヒトを含めた後生動物には自身の生理代謝過程に必須であっても、自身では合成できない脂肪酸の分子種がいくつもあることが多く、そのため、自身では合成できない脂肪酸を合成する他の生物を食物として摂取することで必要を満たしています。ヒトにとっては、多価不飽和脂肪酸といわれるものが必須脂肪酸で、次のとおりです。

リノール酸は、石鹸や乳化剤などの製造に用いられ、また、肌の保湿や、ニキビなどに対する局所的な抗炎症作用など肌に良い性質を持ち、化粧品にも使われています。植物油に多く含まれ、特にベニバナ油(サフラワー油)やコーン油に多いのが特徴です。
体内ではアラキドン酸を経て、プロスタグランジンなどの生理活性物質の原料となるほか、細胞膜の膜脂質として多く見られます。

これはヒトを含む哺乳動物において、食餌からの摂取が不可欠であるためです。
必須脂肪酸の欠乏は、髪のパサつきや抜け毛などのほか、創傷の治癒の遅れが見られます。
また、血中コレステロール値や中性脂肪値を一時的に低下させる働きがあるが、過度の摂取はアレルギーを悪化させたり、大腸癌などのリスクを高めるといわれています。
γ(ガンマ)-リノレン酸アトピー性皮膚炎や湿疹、炎症、乳癌など、多様な疾患に効果があるといわれ、マツヨイグサ属の1種メマツヨイグサの種子からとられる月見草オイルは特にγ-リノレン酸に富むことから、サプリメントとして広く販売されています。アラキドン酸はほとんどの哺乳類にとって必須脂肪酸であると考えられていて、リノール酸を原料として体内で合成されるが、種によってはこの機能が十分でないため必要な量を生産することかできないか、あるいは全く生産する機能を持ちません。アラキドン酸は植物にはほとんど含まれないため、自ら十分な量を生産できない動物(ネコなど)は他の動物の捕食によって摂取する必要があります。

食物中のα-リノレン酸(ALA)種油にはα-リノレン酸が豊富に含まれており、特にエゴマ、アブラナ(キャノーラ)、ダイズ、クルミ、アマ、サルビア、アサは顕著です。また、ALAは広葉植物の葉のチラコイドの膜組織(光合成に関わる)からも得られます。そのため、葉は草食動物の格好のALAの供給源です。ALAの多い植物として、サルビア、キウイフルーツ、しそ(えごま)などがあります。
参考文献:Wikipedia