天使の羽根 肩甲骨ダイエット

すっかりおなじみとなった、骨盤エクササイズや骨盤ダイエット。しかし、これまで肩甲骨、肩甲骨の仕組みについてはほとんど注目されず、その重要性についても知られることがなかったのが現状です。

ところが、肩甲骨は骨盤と深い関係があります。また、さらにはダイエット効率もあり、重要で注目すべき身体の一部なのです。
この「肩甲骨」に注目し、肩甲骨の役割、そして肩甲骨を「ストレッチ・矯正」することにより、痩せ体質をつくる方法をご紹介します。
しかもこのストレッチを行った後は、瞬時に見た目でも「痩せた」と思われる効果があるのです。

肩甲骨とは、両手をぐるっと背中に回し、肩の下あたりに出っ張っている骨のことです。(ちなみに肩甲骨は、天使の羽根と呼ばれています。)
骨盤と肩甲骨の深い関係についてですが、人間の祖先はそもそも四本足で歩いていたため、とても密接な関係があるといわれており、肩甲骨の可動域を広げることで、連動して動いている骨盤の開閉もスムーズになるのです。
つまり、骨盤と共に肩甲骨の可動域を広げることにより、体の歪みが矯正され、基礎代謝のよい身体となり、痩せやすくなるというわけです。
さらに肩甲骨付近には、褐色脂肪細胞と呼ばれる脂肪をたくさん燃焼させて体温を上げる細胞(ミトコンドリアとATP合成の関係)が多く集まっているといわれ、肩甲骨のスムーズな動きが高効率の脂肪燃焼効果が期待できるのです。

骨盤の開閉サイクルは知られおり、同じように肩甲骨も女性の排卵日を軸に2週間かけて開き、その後2週間かけて閉まるというサイクルで動いています。それと同時に1日の中でも、夜に向かって開き、朝に向かって閉じていくという開閉リズムを持っているといわれています。

では肩甲骨が開くと体はどのようになるかですが、 左右の肩甲骨上部が腰のほうに下りて離れることで背中が少し丸まり、背中から見ると肩甲骨が分からないぐらい平らな状態になります。
逆に肩甲骨が閉じると、肩甲骨上部同士が背中の中央に近づくことで胸側が開き、背筋が伸びる状態になります。
この肩甲骨の開閉運動を骨盤と連動させ、スムーズで、左右差なくバランスよく動かせば、体の軸を感じることができ、姿勢も良くなり、無駄な脂肪のない綺麗な身体となるのです。

骨盤と肩甲骨は背骨(脊柱)を通して開閉が連動するように形成されています。
つまり、この開閉リズムが正しく行われることが重要で、歪みや運動不足で老廃物やリンパ液が停滞し、開閉運動のリズムが悪くなると、便秘や肌荒れ血行不良となり、結果、太りやすい体質の原因にもなりかねないのです。

鎖骨がない、首が埋まっている、肩まわりがたくましい(ごつい)といったことに悩みを抱えている方は、長時間のパソコン作業や、猫背や反り腰で歩く姿勢が悪いなど、上半身と下半身がアンバランスとなり、骨盤と肩甲骨それぞれの開閉リズムに乱れが生じていますので、要注意です。
しかしこれらのトラブルも、骨盤と肩甲骨を矯正し、バランスよく連動させる、肩甲骨ストレッチを実践すれば解消されます。
特に肩甲骨の可動域を広げながら鎖骨を最大限に開閉することを意識すれば、首周りがすっきりする他に体の中心に肩甲骨が寄ってくるため、見た目で痩せ効果が期待できるのです。

そこで、1日3分の肩甲骨ストレッチです。
これは、普段はあまり動かさない肩甲骨部分の筋肉を効率よく動かすことで、肩甲骨まわりについたぜい肉を落とし、首まわりや背中のラインをスッキリさせる他に二の腕のたるみ、ブラからはみ出るぜい肉解消にも効果的です。

1.片方の脚を上体の前に組んで立て(深くあぐらを組む感じ)、座ります。この時、ポイントは2つあります。1つは両方のお尻が均等に床についていること、2つ目は骨盤をしっかり立てること。さらに、背骨をスッと伸ばし、つむじが天井に向かって伸びていくようなイメージを持ちます。

2.両腕を上げ、耳の脇で止めます。そこから、はしごを登っていくような感覚で、これ以上限界という所まで、両腕を交互に上げていきます。

3.腕を上げる時は肩甲骨から腕が伸びるよう意識します。また、お腹周りの力を抜くことなく、引っ込めるお腹を心がけます。

4.限界まで腕を上げた状態から、肩甲骨をグッとお尻のほうに下げるようにして両肩を下げます。この時、首と腕の付け根の間に小さなボール1つ分の間隔を空けるようにするのがポイントです。

5.両方の手のひらを外側に向け、肩甲骨をグルリと回すようなイメージで両腕を後ろから回していきます。

6.回し終えたら、床にそっと両手の先を添える。鎖骨から両腕がはえているようなイメージで回すと効果的です。

7.腕を上げながら上半身も浮かせていきます。この時、お腹周りを意識しながら、フワッと体を浮かせるのがポイントです。

8.腕は肩甲骨から動かすにように、伸びやかに上げていきましょう。以上の動きを脚を組み替えて1から繰り返します。

肩甲骨周辺には、リンパ腺や乳腺の循環を行う、胸の真ん中あたりの胸腺の根元があるとされています。
したがって、肩甲骨を効率よく動かせば、胸腺への循環がスムーズになり、バストアップ効果も期待できます。
骨盤と同じぐらいダイエット・美容に重要な役割を果たす肩甲骨の仕組みがお分かりいただけたと思います。
また、骨盤と肩甲骨のバランスのよい開閉運動も重要で、そのためには1日3分の肩甲骨ストレッチを実践することがたいせつです。

首長効果、血行促進、便秘解消等、女性にとっていいことずくめの甲骨ストレッチを、毎日の生活の中で無理なく続けてみて下さい。