メタボリック・シンドローム 糖尿病になってしまったら(その2)

糖尿病にならないように気をつけていても、とうとう糖尿病と診断されてしまった。
あるいは、すでに糖尿病と診断されてしまっている方の治療では、たびたびA1C(エーワンシー)の数値が話題になります。
しかし、これはあくまでも代理目標ということを頭に入れておかなければなりません。
本当の目標は、いまわしい合併症を起さないでヘルシーな人生を送ることです。

糖尿病と付き合う10の秘訣の内、次はワンランク上の5つのコツです

1.インスリン治療の人は「15ルール」を守る
インスリンの治療では高血糖だけでなく低血糖への準備が必要です。
インスリン・ユニット、食物、活動量、経過時間、心理状態などが複雑に絡むからです。
インスリンを使っている人は、低血糖時には日頃我慢している甘い物を食べる絶好のチャンスと考える方がいますが、これは良くありません。
なぜなら気分が回復するまでに必ず食べ過ぎてしまうからです。そしてその結果は肥満です。
お薦めなのが「15ルール」です。 低血糖を感じたら吸収の速いブドウ糖などを15g取って15分待つ。それでも血糖値が戻らなければ更に15gのブドウ糖を追加するのです。でも低血糖が頻繁に起るのなら、インスリンの調整が必要となってきます。

2. ソフトドリンク(コーラなど)は避ける
一番簡単で一番効果があるのはソフトドリンクをやめることです。液体でも糖分は糖分、血糖を急激に上げます。これらは低血糖時のもしもの時に使うのが無難です。その場合も糖質15gに注意が必要です。

3. 気持が緩んだら、自分で立ち直ろう
どうもうまくいかない!何を食べていいか分らない、また薬を忘れた等。どんなときも決して自分を責めないことです。医療チームはあなたを叱るためにあるのではなく、あなたをサポートするためにあるのです。
こんな難しい病気が一気に良くなることはないのです。小さな努力を積み重ねるしかありません。家族や友人、医療チームから元気をもらいましょう。

4. ストレスを糧とする
人生は自分ではどうしようもないことに満ちています。人間関係、病気、お金、家族、職場、離別、失業‥。でも自分で出来ることもたくさんあります。自己血糖測定、ヘルシーな食事、運動など。
たとえば、生活のために働くのは仕方がないことですが、今日なにを食べるかはご自分が決め、出来る事なんです。

5.「知性と素直、自制そして勇気」
糖尿病の恩人、エリオット・ジョスリンの言葉です。糖尿病と付き合うには覚悟が必要です。そして「教育」です。学習が不可欠です。知識も薬もツールも、10年前と比べて著しく進歩してますから、病院での糖尿病教室、参考書、インターネット等、いつも最新の情報に目を向けることが必要です。
日本でもどこの国でも医療現場に最新知識が生かされるまでには、何年間もかかることがあります。糖尿病は自主的に学ばなくては、上手く付き合えないのです。

エリオット・ジョスリンの言葉に「糖尿病は患者の性格を試す病気だ」というのがあります。かなりメンタルな部分が影響する病気のようです。前向きに頑張りましょう。